ぐりずりーまんドキュメンタリー映画「グリズリーマン」を見た。熊の生息地に奥深く入り、熊の生態をカメラで撮影しながら保護活動を訴える男の話。自分の過去を清算するかのように自然と向き合い、熊にのめり込んで行く彼(ティモシー・トレッドウェル)の姿は、聡明で逞しく、時に痛々しくも見え、一人の人間が見せる「人間らしさ」を、まざまざと見せつけられた興味深い映画でした。彼が見せた印象的なシーンは、蜂が花の蜜を取りながら息絶えたのを見て、「なんて美しい、そして哀しい」と泣きながら話した場面。そこにティモシー本来の姿を見たような気がして、彼が最後に迎える悲劇がよりいっそう切ない出来事に思えました。結局、ティモシーは現実ではうまく生きれなかった人とも言えるし、自分の信念を貫いて普通の人が出来ないことをやり遂げた人とも言える。この映画を見て人間からの視点で自然は理解できないこと、そこにはただの成り行きがあるだけだと思いました。ドキュメンタリー好きな人にはお勧めの映画。

「グリズリーマン」(2005年 ヴェルナー・ヘルツォーク監督)

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